メダカの稚魚が全滅!生存率を上げるためにブラックウォーターを試す理由

メダカの稚魚が全滅!生存率を上げるためにブラックウォーターを試す理由

「メダカの卵はたくさん孵化したのに、稚魚が少しずつ減っていく。」

「昨日まで泳いでいた針子が、気づいたときにはほとんどいなくなっていた。」

「今年も稚魚を全滅させてしまった。」

メダカの繁殖では、卵を孵化させることよりも、孵化した稚魚を育てることに難しさを感じる場合があります。

稚魚が減ったときは、餌を食べられていたか、飼育水に異常がなかったか、親魚や外敵に捕食されていないかなど、飼育状況を一つずつ確認する必要があります。

そのうえで、稚魚を育てる飼育水の選択肢として検討したいのが、カタッパの葉を使ったブラックウォーターです。

カタッパ葉抽出液を使用した他魚種の研究では、稚魚の生存数や成長に良い結果が報告されています。

特に注目したいのが、パールグラミーとブルーグラミーの稚魚を、透明水、グリーンウォーター、カタッパ葉抽出液の3条件で比較した研究です。

この研究では、カタッパ葉抽出液区で生存した稚魚の数が最も多く、透明水区と比べて約2倍、グリーンウォーター区と比べて約30%多くなりました。

一方で、最初に明確にしておきたいことがあります。

今回確認した範囲では、メダカの稚魚を対象に、カタッパ葉抽出液が生存率へ与える影響を直接比較した研究は確認できませんでした。

したがって、「ブラックウォーターを使えば、メダカの稚魚の生存率が必ず上がる」とは言えません。

この記事では、他魚種の研究で実際に確認された結果と、そこからメダカ飼育に応用できる可能性を分けて解説します。


この記事で分かること

  • メダカの稚魚が減ったときに確認したいこと
  • ブラックウォーターとカタッパの葉の基礎知識
  • グラミー稚魚を使った研究の内容と結果
  • アマゾンリーフフィッシュ稚魚を使った研究の内容と結果
  • 研究結果をメダカへそのまま当てはめられない理由
  • マジックリーフティーバッグを使用目安どおり使った場合の乾燥葉換算濃度
  • 研究濃度と商品の使用目安を比較するときの注意点

結論:メダカでの効果は未確認だが、他魚種の稚魚研究を根拠に試す価値はある

現時点では、ブラックウォーターがメダカの稚魚の生存率を上げると直接証明した研究は確認できません。

しかし、カタッパ葉抽出液を使った他魚種の稚魚研究では、次の結果が報告されています。

  • グラミー稚魚では、透明水区やグリーンウォーター区より生存稚魚数が多かった
  • グラミー稚魚では、カタッパ葉抽出液区の比成長率が高かった
  • アマゾンリーフフィッシュ稚魚では、0.75g/L区で良好な成長成績が得られた
  • アマゾンリーフフィッシュ稚魚では、ハンドリングストレス後の生存率が0.75g/L区で100%だった

これらはメダカの研究ではないため、同じ結果を保証するものではありません。

それでも、カタッパ葉抽出液を使った飼育水で、複数の魚種の稚魚に良い結果が報告されていることは、メダカの稚魚育成でもブラックウォーターを試す根拠になります。

メダカでの効果はまだ直接確認されていませんが、他魚種の稚魚研究で得られた生存・成長の結果を踏まえると、ブラックウォーターは検討する価値のある飼育水の選択肢です。


メダカの稚魚が減ったときは、最初に飼育状況を確認する

稚魚が減ったからといって、原因をブラックウォーターの有無だけで判断することはできません。

まずは、実際の飼育状況を確認する必要があります。

稚魚が餌を食べていたか

餌を与えていても、稚魚が実際に食べられていたとは限りません。

孵化したばかりの稚魚は非常に小さいため、与えた餌が口に入る大きさだったか、稚魚が餌へたどり着けていたかを確認します。

これはブラックウォーターを使用している場合も同じです。

後ほど紹介するグラミー研究では、カタッパ葉抽出液区に微小生物が確認されていますが、研究ではそれだけを餌として飼育したわけではありません。

したがって、ブラックウォーターを使えば、稚魚への給餌が不要になるとは言えません。

飼育水に明らかな異常がなかったか

餌の食べ残し、死骸、強い臭い、濁りなど、目で確認できる変化がなかったかを振り返ります。

ブラックウォーターの茶色は、カタッパ葉由来の着色です。

しかし、ブラックウォーターであることと、飼育水に問題がないことは同じではありません。

この記事で紹介する研究も、カタッパ葉抽出液だけを加えて放置した研究ではなく、魚種、密度、給餌、期間などを設定した実験です。

親魚や外敵に捕食されていないか

稚魚の姿が急に見えなくなった場合は、死亡だけでなく、捕食された可能性も確認する必要があります。

親魚と同じ容器で孵化していたか、屋外容器へ捕食者が入っていなかったかなど、飼育環境を確認します。

稚魚数や飼育条件を記録していたか

「たくさんいた稚魚が減った」という印象だけでは、生存数の変化を正確に判断できません。

可能であれば、孵化数、日ごとの生存数、給餌、飼育水、容器、水温などを記録します。

ブラックウォーターを試す場合も、記録がなければ、使用前後で本当に違いがあったのかを判断しにくくなります。


ブラックウォーターとは?

ブラックウォーターとは、落ち葉や植物などから水中へ溶け出した成分によって、黄色から茶褐色に色づいた水を指します。

観賞魚飼育では、乾燥させたカタッパの葉を使ってブラックウォーターを作る方法が広く知られています。

カタッパの学名は、Terminalia catappaです。

カタッパ葉には、タンニンをはじめとする植物由来成分が含まれています。

2024年に発表されたレビュー論文では、カタッパ葉やその抽出物について、魚の成長、生存、免疫応答、感染症への抵抗性、水質、繁殖、稚魚育成などの研究が整理されています。

ただし、研究によって次の条件は異なります。

  • 対象魚
  • 魚の成長段階
  • カタッパ葉の加工方法
  • 抽出方法
  • 使用濃度
  • 給餌条件
  • 飼育期間

そのため、ある魚種で良い結果が得られた濃度を、そのままメダカへ当てはめることはできません。


グラミー稚魚を使ったブラックウォーター研究

メダカの稚魚へブラックウォーターを試す根拠として、特に重要なのが、パールグラミーとブルーグラミーの稚魚を対象にした研究です。

論文のタイトルは、次のとおりです。

Terminalia catappa leaf extract is an effective rearing medium for larviculture of gouramis

日本語にすると、「カタッパ葉抽出液はグラミーの仔魚育成に有効な飼育媒体である」という内容です。

論文は2019年5月25日にオンライン公開され、2020年に「Journal of Applied Aquaculture」32巻2号、175〜185ページへ掲載されました。

研究対象

  • パールグラミーの稚魚
  • ブルーグラミーの稚魚

比較した飼育水

研究では、次の3種類の飼育水が比較されました。

飼育条件 内容
透明水 カタッパ葉抽出液やクロレラを加えていない飼育水
グリーンウォーター ティラピア養殖由来のクロレラを1mL当たり10万細胞含む水
カタッパ葉抽出液 Terminalia catappaの葉から作られた抽出液を使った水

稚魚は10日間飼育され、生存と比成長率が評価されました。

研究結果

カタッパ葉抽出液区では、両方のグラミーで生存稚魚数が最も多くなりました。

論文要旨では、カタッパ葉抽出液区で生存した稚魚数は、次のように報告されています。

  • 透明水区と比べて約2倍
  • グリーンウォーター区と比べて約30%多い

さらに、カタッパ葉抽出液区では、比成長率も高くなりました。

つまり、この研究条件では、カタッパ葉抽出液を使った飼育水で育てたグラミー稚魚が、透明水区とグリーンウォーター区より多く生き残り、成長成績も良かったということです。

研究者が挙げた可能性

論文では、カタッパ葉抽出液が酸性だったことが、生存に関係した可能性が示されています。

また、カタッパ葉抽出液が持つ抗酸化的・治療的性質から、稚魚が利益を得た可能性も考察されています。

さらに、論文本文では、カタッパ葉抽出液区にParameciumColpidiumなどの微小生物が確認され、それらが稚魚の餌として利用された可能性が述べられています。

この研究をメダカへそのまま当てはめられない理由

この結果は非常に興味深いものですが、メダカでも同じ結果になると断定することはできません。

理由は明確です。

  • 対象魚がメダカではなくグラミーである
  • 論文では、グラミーが適切に成長するために軟水・酸性水を必要とすることが研究の背景にある
  • 飼育期間が10日間である
  • 研究用に調整された飼育条件である
  • 家庭のメダカ容器で同じ微小生物が発生するとは確認されていない

この研究から言えるのは、次の内容です。

パールグラミーとブルーグラミーの稚魚を10日間育成した実験では、カタッパ葉抽出液区で、透明水区やグリーンウォーター区より生存稚魚数が多く、比成長率も高かった。

この結果は、メダカへの効果を証明するものではありません。

一方で、「カタッパ葉抽出液を使った飼育水が、魚の稚魚育成へ良い結果を与えた研究がある」という、ブラックウォーターを試すための直接的な根拠にはなります。


アマゾンリーフフィッシュ稚魚を使った研究

もう一つ参考になるのが、アマゾンリーフフィッシュの稚魚を対象にした研究です。

論文のタイトルは次のとおりです。

Terminalia catappa improves growth performance and survival of the Amazon leaf fish (Monocirrhus polyacanthus) larvae submitted to handling stress

この研究は2020年に「Aquaculture Research」へ掲載されました。

研究目的

研究では、カタッパ葉水抽出液が、アマゾンリーフフィッシュ稚魚の成長と、ハンドリングストレス後の生存へ与える影響が評価されました。

比較した濃度

カタッパ葉水抽出液は、次の5濃度で比較されました。

試験区 カタッパ葉水抽出液の濃度
1 0.25g/L
2 0.50g/L
3 0.75g/L
4 1.00g/L
5 1.25g/L

さらに、カタッパ葉水抽出液を使わない対照区が設けられました。

飼育条件

  • 稚魚密度:1L当たり15匹
  • 試験開始時の体長:0.1cm
  • 試験開始時の体重:0.001g
  • 反復数:各条件5反復
  • 飼育期間:15日間
  • 給餌:稚魚1匹当たりアルテミアノープリウス100匹を1日2回

15日間の飼育後、全換水とカタッパ葉抽出液の交換によるハンドリングストレスが与えられました。

研究結果

対照区では、ハンドリングストレス後の生存率が22.2±3.14%でした。

一方、0.75g/L区では、次の結果が報告されています。

  • 体重増加:5.70±0.20g
  • 比成長率:10.80±0.24%/日
  • 体長:0.31±0.17cm
  • ハンドリングストレス後の生存率:100.00±0.00%

研究で最も良い成長成績と、ストレス後の生存率が得られたのは0.75g/L区でした。

高濃度ほど良かったわけではない

この研究では、0.75g/Lを超える高濃度区で、さらに良い成長成績が得られたわけではありません。

論文では、0.75g/Lを超える濃度で成長が低下したことについて、毒性の影響である可能性が考察されています。

ただし、高濃度区で死亡率が増加したとは報告されていません。

また、抽出液濃度が高い区では、pHと総アンモニアの値が上昇しました。

ここから言えるのは、少なくともこのアマゾンリーフフィッシュ研究では、カタッパ葉水抽出液の濃度を高くするほど成長成績が上がったわけではないということです。

メダカへそのまま当てはめられない理由

  • 対象魚がメダカではない
  • アマゾンリーフフィッシュはメダカとは異なる生態を持つ
  • 研究では水抽出液が使われている
  • 研究濃度は乾燥葉をそのまま水へ入れた濃度とは限らない
  • 稚魚にはアルテミアが1日2回与えられている
  • 生存率100%は、特定の実験条件におけるハンドリングストレス後の結果である

そのため、「メダカにも0.75g/Lを使えば100%生き残る」とは言えません。

この研究から確認できるのは、アマゾンリーフフィッシュ稚魚では、0.75g/Lのカタッパ葉水抽出液区で、成長とハンドリングストレス後の生存に最も良い結果が得られたということです。


2024年のレビュー論文で整理されたカタッパ葉研究

2024年には、カタッパ葉の魚類飼育への利用をまとめたレビュー論文が、「Reviews in Aquaculture」に掲載されました。

論文のタイトルは次のとおりです。

Recent advances of Terminalia catappa and its application in fish culture: A review

このレビューでは、カタッパ葉やその抽出物に関する過去の研究が整理されています。

扱われている主な分野には、次のものがあります。

  • 魚の成長
  • 生存
  • 免疫応答
  • 細菌や寄生虫に対する作用
  • 水質
  • 繁殖
  • 卵や稚魚の育成
  • 毒性

グラミー稚魚研究や、アマゾンリーフフィッシュ稚魚研究も、このレビューで扱われています。

このレビューから分かるのは、カタッパ葉の利用が、一つの魚種だけで検討されているのではなく、さまざまな魚種と目的で研究されてきたということです。

一方で、良い結果が得られた濃度は、魚種や研究方法によって異なります。

したがって、レビュー論文も「すべての魚へ同じ濃度を使えばよい」という結論を示すものではありません。


マジックリーフティーバッグの使用目安を乾燥葉換算濃度で考える

サカタのベタのマジックリーフティーバッグには、乾燥カタッパ葉が1袋5g入っています。

使用目安は、水量20〜30Lに1袋です。

乾燥葉5gを使用する水量で割ると、乾燥葉の投入量は次の濃度になります。

使用方法 計算 乾燥葉換算濃度
1袋5gを20Lに使用 5g÷20L 0.25g/L
1袋5gを25Lに使用 5g÷25L 0.20g/L
1袋5gを30Lに使用 5g÷30L 約0.17g/L

つまり、マジックリーフティーバッグを使用目安どおり20〜30Lに1袋使用すると、乾燥葉換算では約0.17〜0.25g/Lになります。

使用方法は簡単です。熱湯で抽出するやり方と、ティーバッグをそのまま水槽へ入れる方法があります。

基本的には抽出型を推奨していますが、そのままティーバッグごと水槽に入れるやり方でも良いです。

抽出型のやり方は、まずティーバッグを1L以上入る容器に入れ、熱湯を1L注ぎます。そして一晩(約12時間)抽出後、その抽出液を水槽に入れます。

そして、ティーバッグをそのまま飼育水へ加えることも可能です。その場合、植物由来成分が少しずつ溶け出し、水が徐々に薄い茶褐色へ変化します。葉が細かく崩れにくいため、落ち葉を直接敷き詰める方法より量と状態を管理しやすいのが利点です。

pHに関しては、タイの水道水(pH7後半)に入れると、pHは0.2-0.3ほど下がります。

アマゾンリーフフィッシュ研究との比較

アマゾンリーフフィッシュ研究では、次の濃度が比較されました。

  • 0.25g/L
  • 0.50g/L
  • 0.75g/L
  • 1.00g/L
  • 1.25g/L

マジックリーフティーバッグを20Lに1袋使用した場合の乾燥葉換算濃度は0.25g/Lです。

数値だけを比べると、アマゾンリーフフィッシュ研究で比較された最も低い濃度と同じになります。

30Lに1袋の場合は約0.17g/Lとなり、研究で比較された最低濃度0.25g/Lより低い乾燥葉換算濃度です。

したがって、マジックリーフティーバッグの使用目安である20〜30Lに1袋は、乾燥葉の投入重量として見ると、アマゾンリーフフィッシュ研究の最低試験濃度付近になりやすいと説明できます。

同じ数値でも、研究と同じ条件ではない

ここで、非常に重要な違いがあります。

マジックリーフティーバッグの0.17〜0.25g/Lは、ティーバッグに入っている乾燥葉5gを水量で割った乾燥葉換算濃度です。

一方、アマゾンリーフフィッシュ研究では、調製されたカタッパ葉水抽出液が使われています。

乾燥葉をティーバッグへ入れて飼育水に浸した場合、葉の重量5gすべてが水中へ溶け出すわけではありません。

また、次の条件も同一ではありません。

  • 葉の乾燥方法
  • 葉の粉砕状態
  • 抽出方法
  • 抽出時間
  • 水温
  • 水質
  • 実際に水中へ溶出する成分量

そのため、次のように説明するのが正確です。

マジックリーフティーバッグを20Lに1袋使用した場合、乾燥葉の投入重量は0.25g/Lとなり、アマゾンリーフフィッシュ研究で比較された最低濃度と同じ数値になります。ただし、研究で使用された水抽出液と、ティーバッグから飼育水へ溶出する成分量は同じではないため、研究と同一条件になることを意味しません。

研究で最良だった0.75g/Lを商品へそのまま当てはめない

アマゾンリーフフィッシュ研究では、0.75g/L区で最も良い成長成績と、ハンドリングストレス後の生存率が得られました。

しかし、この結果を根拠に、マジックリーフティーバッグを0.75g/Lになるまで増やすことはできません。

理由は次のとおりです。

  • 対象魚がメダカではない
  • 研究で使われたものは水抽出液である
  • 商品のティーバッグとは抽出条件が異なる
  • 研究では0.75g/Lを超えると成長成績が低下した
  • メダカで適した濃度は確認されていない

マジックリーフティーバッグについて記事内で紹介する使用量は、商品に設定されている20〜30Lに1袋です。

研究の0.75g/Lは、アマゾンリーフフィッシュの実験結果として紹介し、メダカや商品へそのまま置き換えないようにします。


マジックリーフティーバッグを試す理由

マジックリーフティーバッグは、乾燥カタッパ葉5gをティーバッグへ入れた商品です。

使用目安どおり20〜30Lに1袋使用した場合、乾燥葉換算では約0.17〜0.25g/Lになります。

この濃度は、乾燥葉の投入重量として見ると、アマゾンリーフフィッシュ研究で比較された最低濃度付近です。

ただし、研究と同じ効果を保証するものではありません。

この記事でマジックリーフティーバッグを紹介する理由は、次のとおりです。

  • カタッパ葉抽出液を使った他魚種の稚魚研究で、生存や成長に良い結果が報告されている
  • 2024年のレビュー論文でも、カタッパ葉の魚類飼育への利用が広く整理されている
  • 1袋当たりの乾燥葉重量が5gと決まっている
  • 使用目安20〜30Lに1袋で、乾燥葉換算濃度を計算できる
  • 乾燥葉の投入重量として、研究濃度と比較しながら説明できる

一方で、メダカの稚魚での効果は確認されていないため、商品紹介でも断定はしません。

正確な位置づけは、次のとおりです。

マジックリーフティーバッグは、他魚種の稚魚研究で可能性が示されているカタッパ葉由来のブラックウォーターを、メダカの稚魚育成でも試すための商品です。使用目安は20〜30Lに1袋で、乾燥葉換算では約0.17〜0.25g/Lになります。


実際に違いを確かめるなら、条件を分けて記録する

ブラックウォーターが自分のメダカ飼育環境に合っているかを確認したい場合は、使用前後の印象だけで判断せず、条件を分けて記録する方法があります。

例えば、できるだけ条件をそろえた二つの容器を用意します。

容器 条件
A 通常使用している飼育水
B マジックリーフティーバッグを使用した飼育水

比較する場合は、次の条件をできるだけそろえます。

  • 水量
  • 稚魚数
  • 稚魚の親
  • 孵化した時期
  • 餌の種類
  • 給餌量
  • 給餌回数
  • 設置場所
  • 観察期間

記録する項目には、次のものがあります。

  • 開始時の稚魚数
  • 日ごとの生存数
  • 体の大きさ
  • 餌を食べる様子
  • 水の色
  • 使用したティーバッグ数
  • 水量

これは学術研究ではありません。

しかし、一つの容器だけを見て判断するよりも、ブラックウォーターを使った場合と使わなかった場合の違いを確認しやすくなります。


よくある質問

ブラックウォーターを使えば、メダカの稚魚は全滅しませんか?

全滅を防げるとは言えません。

今回確認した範囲では、メダカの稚魚を対象に、カタッパ葉抽出液が生存率へ与える影響を直接比較した研究は確認できませんでした。

他魚種の稚魚研究で良い結果が報告されているため、メダカでも試す価値があると考えていますが、効果を保証するものではありません。

マジックリーフティーバッグの使用目安はどれくらいですか?

水量20〜30Lに1袋です。

1袋には乾燥カタッパ葉が5g入っているため、乾燥葉換算では約0.17〜0.25g/Lになります。

20Lに1袋なら、アマゾンリーフフィッシュ研究の0.25g/Lと同じですか?

乾燥葉の投入重量を水量で割った数値は同じです。

ただし、研究では調製された水抽出液が使われており、ティーバッグから飼育水へ実際に溶出する成分量とは同じではありません。

したがって、研究と同じ条件や効果になることを意味しません。

研究で最良だった0.75g/Lに合わせた方がよいですか?

そのようには言えません。

0.75g/Lで最良の結果が得られたのは、アマゾンリーフフィッシュの稚魚を、水抽出液で飼育した研究です。

メダカで適した濃度は確認されておらず、商品とも抽出条件が異なります。

マジックリーフティーバッグは、商品の使用目安である20〜30Lに1袋で使用します。

ブラックウォーターを使えば、稚魚の餌は不要ですか?

不要とは言えません。

グラミー研究では、カタッパ葉抽出液区に微小生物が確認されましたが、それだけで稚魚が育ったことを示す研究ではありません。

アマゾンリーフフィッシュ研究でも、アルテミアノープリウスが1日2回与えられています。

グラミー研究の結果をメダカへ使えるのですか?

同じ結果になるとは言えません。

対象魚、生息環境、飼育条件が異なります。

一方で、カタッパ葉抽出液区で稚魚の生存数と成長に良い結果が得られた研究として、メダカでもブラックウォーターを試す根拠にはなります。

グリーンウォーターよりブラックウォーターの方が良いのですか?

メダカについては判断できません。

グラミー研究ではカタッパ葉抽出液区がグリーンウォーター区より良い結果でしたが、対象魚はグラミーです。

また、研究で使用されたグリーンウォーターは、ティラピア養殖由来のクロレラを1mL当たり10万細胞含む水です。

家庭の屋外メダカ飼育で自然にできる青水と、まったく同じ条件ではありません。

この比較については、別の記事で詳しく解説します。


まとめ:研究で確認された範囲を理解してブラックウォーターを試す

今回確認した範囲では、メダカの稚魚を対象に、カタッパ葉抽出液が生存率へ与える影響を直接比較した研究は確認できませんでした。

一方、他魚種の稚魚を対象にした研究では、カタッパ葉抽出液を使った飼育水で良い結果が報告されています。

グラミー研究では、次の結果が確認されました。

  • パールグラミーとブルーグラミーの稚魚を10日間飼育
  • 透明水、グリーンウォーター、カタッパ葉抽出液を比較
  • カタッパ葉抽出液区の生存稚魚数は、透明水区の約2倍
  • グリーンウォーター区より約30%多く生存
  • 比成長率もカタッパ葉抽出液区で高かった

アマゾンリーフフィッシュ研究では、次の結果が確認されました。

  • 0.25〜1.25g/Lのカタッパ葉水抽出液を比較
  • 15日間飼育
  • 稚魚1匹当たりアルテミアノープリウス100匹を1日2回給餌
  • 0.75g/L区で最も良い成長成績
  • ハンドリングストレス後の生存率は0.75g/L区で100%
  • 対照区のストレス後生存率は22.2%
  • 0.75g/Lを超える濃度では成長成績が低下

サカタのベタのマジックリーフティーバッグには、乾燥カタッパ葉が1袋5g入っています。

使用目安である20〜30Lに1袋を使用すると、乾燥葉換算では約0.17〜0.25g/Lです。

20Lに1袋の場合、乾燥葉の投入重量としては、アマゾンリーフフィッシュ研究で比較された最低濃度0.25g/Lと同じ数値になります。

ただし、研究では水抽出液が使われているため、ティーバッグを使用した飼育水と同一条件ではありません。

この記事から言える結論は次のとおりです。

メダカの稚魚への効果はまだ直接確認されていません。しかし、グラミーとアマゾンリーフフィッシュの稚魚研究では、カタッパ葉抽出液を使った条件で、生存や成長に良い結果が報告されています。マジックリーフティーバッグを使用目安どおり20〜30Lに1袋使うと、乾燥葉換算では約0.17〜0.25g/Lとなります。研究と同一条件ではありませんが、他魚種の研究結果を根拠に、メダカの稚魚育成でもブラックウォーターを試す価値はあります。



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参考文献

  1. Sung, Y. Y. & Abol-Munafi, A. B. Terminalia catappa leaf extract is an effective rearing medium for larviculture of gouramis. Journal of Applied Aquaculture. 2020;32(2):175–185. doi:10.1080/10454438.2019.1614509
  2. Ramos, F. M., Abe, H. A., Couto, M. V. S. D., et al. Terminalia catappa improves growth performance and survival of the Amazon leaf fish (Monocirrhus polyacanthus) larvae submitted to handling stress. Aquaculture Research. 2020;51:4805–4808. doi:10.1111/are.14783
  3. Wang, X., et al. Recent advances of Terminalia catappa and its application in fish culture: A review. Reviews in Aquaculture. 2024;16(4):1741–1765. doi:10.1111/raq.12920
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