ベタがすぐ死ぬのはなぜ?死にやすいと感じたらブラックウォーターを試してほしい理由

ベタがすぐ死ぬのはなぜ?死にやすいと感じたらブラックウォーターを試してほしい理由

大切に飼っていたベタが、突然死んでしまった。

迎えてから数日、数週間しか経っていないのに、弱って死んでしまった。

そんな経験をすると、

「ベタは死にやすい魚なのではないか」

「自分の飼い方が悪かったのではないか」

と考えてしまいます。

しかし、ベタが死んだ原因は一つとは限りません。購入前から体力を消耗していた可能性もあれば、水温、水質、水量、餌、導入直後の環境変化など、いくつかの要因が重なっていたこともあります。

原因を完全に特定できないこともあります。それでも、次に同じことを繰り返さないために見直せる部分はあります。

水量を確保し、水温を安定させ、餌と換水を見直す。そして、もう一つ試してほしいのが、カタッパの葉などの植物由来素材で作るブラックウォーターです。

この記事では、ベタがすぐ死んでしまう主な原因を整理したうえで、なぜ次のベタにはブラックウォーターを試してほしいのかを、ベタを対象にした研究と実際の使い方から詳しく解説します。

この記事で伝えたいこと

ベタが死んだ経験を、飼育者だけの責任にする必要はありません。ただ、次に迎えるベタのために、水温・水質・餌・水量を見直し、日常の飼育環境としてブラックウォーターを取り入れてみてください。

ベタが死んでしまった方へ

ベタは丈夫で飼いやすい魚として紹介されることが多い熱帯魚です。小さな容器で販売されている姿を見て、「特別な設備がなくても簡単に飼える」と思って迎えた方も多いでしょう。

それなのに短期間で死んでしまうと、ショックは大きくなります。毎日餌を与え、水も交換していたのに、なぜ死んだのか分からないこともあります。

ベタが短期間で死んだからといって、すべてが飼育者の責任とは限りません。

ベタは店頭へ来るまでに輸送され、販売店でも環境の変化を経験しています。購入時には元気そうに見えても、すでに体力を消耗していたり、病気が進んでいたりすることもあります。

まずは、自分を責めすぎないでください。そのうえで、次のベタをできるだけ安定した環境で迎えるために、飼育方法を一つずつ確認していきましょう。

ベタは丈夫なのに、なぜすぐ死ぬことがあるのか

ベタにはラビリンス器官があり、水面から空気を吸って呼吸できます。

この能力によって、溶存酸素が少ない環境にも対応できます。フィルターや強いエアレーションを使わない飼育ができるのも、ベタの大きな特徴です。

ただし、空気呼吸ができることと、汚れた水の中で健康に暮らせることは同じではありません。

水中にアンモニアや亜硝酸がたまれば、ベタの体には負担がかかります。水温が大きく変われば体調を崩しやすくなり、餌の食べ残しや排せつ物がたまれば水質は悪化します。

ベタは小型容器でも生きられますが、水量が少ないほど水質と水温が変化しやすく、管理はむしろ難しくなります。

「小さな容器で飼える」と「小さな容器ほど飼いやすい」は違います

水量が少ないほど、少量のフンや餌でも水質へ影響しやすく、室温の変化も水温へすぐ反映されます。小型水槽で飼う場合は、こまめな観察と換水が重要です。

ベタがすぐ死んでしまう主な原因

1.水量が少なく、水質が早く変化した

水量が少ない容器では、フン、尿、餌の食べ残しの影響が短時間で現れます。

同じ一粒の食べ残しでも、500mLの容器と5Lの水槽では、水全体に与える影響が異なります。水量が多い方が変化はゆるやかになり、飼育者が異変へ気づいて対応する時間も作りやすくなります。

小型容器で飼う場合は、フンを早く取り除き、水量に合った頻度で換水することが大切です。

2.アンモニアや亜硝酸がたまった

アンモニアは、ベタの排せつ、フン、餌の食べ残し、枯れた水草などから発生します。

水が透明でも、アンモニアや亜硝酸が発生していることがあります。見た目や臭いだけでは判断できません。

フィルターを使わない水槽や、立ち上げたばかりの水槽では、汚れを分解する微生物の働きが十分でないことがあります。ベタが急に餌を食べなくなった、水面でじっとしている、呼吸が速いといった時は、水質も確認したいポイントです。

3.水温が低い、または急に変化した

ベタは熱帯魚です。水温が低い状態が続くと動きが鈍くなり、餌を食べにくくなります。

冬の低水温だけでなく、朝晩の室温差、水換え時の温度差、エアコンの風、夏の直射日光にも注意が必要です。

小型水槽は室温の影響を受けやすいため、水温計で実際の水温を確認し、急な変化を避けることが大切です。

4.購入直後の水合わせが十分でなかった

購入直後のベタは、輸送や環境変化による負担を受けています。

販売店の水と自宅の水では、水温、pH、硬度などが異なることがあります。袋や容器からすぐに新しい水槽へ移すと、急な変化がさらに負担になります。

新しく迎える時は、最初に水温を合わせ、その後少しずつ飼育水を混ぜながら環境へ慣らします。迎えた当日は、強い照明や過度なフレアリングを避け、静かに休ませましょう。

5.餌を与えすぎた

ベタは人が近づくと寄ってきて、よく餌を欲しがります。そのため、喜んで食べる姿を見て多く与えてしまいがちです。

食べきれない餌は水中で分解され、水質悪化の原因になります。食べる量が多ければ、排せつ物も増えます。

一度に多く与えるより、短時間で食べきれる量を確認し、食べ残しが出たら取り除く方が安全です。

6.購入する前から体力が落ちていた

ベタが早く死んだ原因が、自宅での飼育だけにあるとは限りません。

輸送による負担、長期間の店頭管理、年齢、すでに進んでいた病気など、迎える前の状態が関係することもあります。

購入する時は、ヒレを極端に閉じていないか、呼吸が速くないか、体表に白い点や傷がないか、体が不自然に膨れていないかを確認しましょう。可能であれば、餌への反応も確認すると選びやすくなります。

死因を特定できなくても、次の環境は整えられる

ベタが死んだ後に水を調べても、時間が経っていれば正確な原因を特定できないことがあります。

一つの原因だけではなく、水温、水質、輸送の疲れ、餌、病気などが重なっていた可能性もあります。

それでも、次の飼育でできることはあります。

  • できる範囲で水量を確保する
  • 水温計とヒーターで水温を安定させる
  • カルキを抜いた水を使う
  • 餌を与えすぎない
  • フンと食べ残しを早めに取り除く
  • 水槽の大きさに合った頻度で換水する
  • 購入直後は時間をかけて水合わせをする
  • ブラックウォーターを日常の飼育環境に取り入れる

私が特に試してほしいのが、最後のブラックウォーターです。

次にベタを飼うならブラックウォーターを試してほしい

ブラックウォーターとは、カタッパの葉などから出るタンニンや植物由来成分によって、薄い茶色から濃い茶色に色づいた水です。

水が汚れて茶色くなった状態ではありません。植物素材を抽出して作る、ベタ飼育で長く利用されてきた環境です。

ベタの原産地であるタイを含む熱帯地域では、カタッパの葉がベタの飼育や繁殖に利用されてきました。現在のベタ研究施設でも、泡巣づくりを助ける素材として乾燥したカタッパの葉が使われています。

見た目だけの習慣ではなく、カタッパ葉抽出液をベタへ使用した研究も複数あります。

さらに日本で売られているベタの多くは、タイから直輸入された個体です。タイの繁殖家のほぼ全て(僕はブラックウォーターでベタを管理していない繁殖家を知らない)が、ブラックウォーターでベタを管理しています。そのため元の水質に戻してあげると言う意味でも、ブラックウォーターにしてみる価値があると思います。

ベタを8週間飼育した研究では水質と泡巣形成に変化

2022年に発表された研究では、2か月齢のオスのベタ75匹を個別に8週間飼育し、カタッパ葉抽出液の濃度による違いが調べられました。

実験では、抽出液を加えない対照区と、0.125、0.25、0.5、1g/Lの抽出液を加えた区が比較されています。

その結果、0.25g/Lでは、成長、餌の利用、筋肉、全身組成、血液成分に一貫した悪影響は確認されず、水質の改善が報告されました。

また、カタッパ葉抽出液を使用した区では、対照区に比べて泡巣を作る頻度が平均1.70倍、泡巣の大きさが平均1.52倍となり、濃度との関連が確認されています。

泡巣を作ることだけで健康状態のすべてを判断することはできません。ただ、ベタが本来見せる行動の一つに良い変化が確認されたことは、日常の飼育環境としてブラックウォーターを試す理由になります。

参考:Malawaほか(2022)Addition of different concentrations of Indian almond (Terminalia catappa) leaf extract to aquarium water resulted in improved water quality and increased bubble nest formation by male Siamese fighting fish (Betta splendens)

生存率と血液成分を調べた研究もある

2016年の研究では、ベタ90匹をカタッパ葉抽出液0〜625ppmの環境で30日間飼育し、水質、生存率、血液成分が調べられました。

375ppm以上の区では、生存率、赤血球数、ヘモグロビンが対照区より高くなったと報告されています。

この研究は家庭水槽の商品使用試験ではありませんが、カタッパ葉抽出液が単なる着色水ではなく、ベタを対象に研究されている植物素材であることが分かります。

ベタの病原性細菌を対象にした研究がある

2012年の研究では、緑色と赤色のカタッパ葉から作った水抽出物について、ベタに病気を起こす細菌への作用と安全性が調べられました。

赤く落葉したカタッパ葉の抽出物は、試験した病原性細菌に対して緑葉より強い抑制作用を示しました。また、Aeromonas hydrophilaを使った試験でも、カタッパ葉抽出物の利用可能性が報告されています。

ブラックウォーターは薬の代わりではありません。それでも、ベタの病原性細菌を対象とした研究が行われている植物素材を、普段の飼育環境へ取り入れられることは大きな魅力です。

参考:Purivirojkul(2012)Potential application of extracts from Indian almond (Terminalia catappa Linn.) leaves in Siamese fighting fish (Betta splendens Regan) culture

明るすぎる水槽の光をやわらかく見せる

ブラックウォーターにすると、水が植物由来の茶色に色づきます。

透明な水槽とは違い、照明の光がやわらかく見え、落ち着いた雰囲気になります。ベタの体色やヒレも茶色い水によく映えます。

浮草や隠れ家と組み合わせれば、明るい場所と暗い場所の両方を作れます。ベタ自身が過ごす場所を選べる水槽になります。

死にそうなベタへ入れれば治るという商品ではありません

ブラックウォーターは、病気を治療する薬ではありません。

すでに横たわっている、呼吸が極端に速い、体が大きく膨れている、鱗が逆立っている、白い点が全身に出ているなどの症状がある場合は、病気や水質に合わせた対応が必要です。

この記事でおすすめしているのは、次のベタを迎える時や、現在元気に飼育できているうちから、日常の飼育環境としてブラックウォーターを取り入れることです。

小型のベタ水槽には「サカタのベタ ベタ発酵水」

3〜5L程度の小型ベタ水槽でブラックウォーターを試すなら、サカタのベタ ベタ発酵水がおすすめです。

ベタ発酵水は、カタッパの葉だけではなく、タイでベタの飼育に使われる植物由来素材を組み合わせ、ティーバッグにした商品です。

熱湯で約2時間抽出し、その抽出液を水槽へ加えます。大きな葉を水槽へ直接入れないため、ベアタンクの底をすっきり保ちやすく、濃いブラックウォーターも簡単に作れます。

ベタ発酵水がおすすめの飼育環境

  • 3〜5L程度の小型ベタ水槽
  • ベアタンクでの一匹飼育
  • 葉を水槽へ直接入れたくない
  • 濃いブラックウォーターを作りたい
  • 初めてブラックウォーターを試したい

次のベタを迎える時は、同じ透明な水の環境を繰り返すだけではなく、最初からブラックウォーターを用意してみてください。

水温、水合わせ、餌、換水を整えたうえで植物由来の環境を加えることで、ベタをできるだけ安定した状態で飼うための土台を作れます。

小型ベタ水槽をブラックウォーターにする

3〜5L程度の水槽には、植物由来素材を組み合わせた「サカタのベタ ベタ発酵水」がおすすめです。

ベタ発酵水を確認する

20〜30L程度の水槽には「マジックリーフティーバッグ」

普通サイズ以上の水槽や、20〜30L程度の水量でブラックウォーターを作るなら、サカタのベタ マジックリーフティーバッグがおすすめです。

マジックリーフティーバッグは、カタッパの葉100%を1袋に5g使用しています。

20〜30Lに1袋が使いやすい目安です。乾燥葉換算では約0.17〜0.25g/Lとなり、2022年のベタ研究で適した濃度として提案された0.25g/L前後を参考にした設計です。

カタッパの葉だけをシンプルに使いたい人、水量の多い水槽でブラックウォーターを作りたい人に向いています。

飼育環境・目的 おすすめ商品
3〜5L程度の小型ベタ水槽 ベタ発酵水
20〜30L程度の水槽 マジックリーフティーバッグ
複数の植物由来素材を使いたい ベタ発酵水
カタッパ葉100%を使いたい マジックリーフティーバッグ

20〜30L程度の水槽をブラックウォーターにする

カタッパ葉100%、1袋5gのマジックリーフティーバッグが使いやすいです。

マジックリーフティーバッグを確認する

ブラックウォーターと一緒に続けたい基本管理

ブラックウォーターを使い始めた後も、基本の飼育管理は続けます。

  • 水温を安定させる
  • カルキを抜いた水を使う
  • 餌を与えすぎない
  • フンと食べ残しを取り除く
  • 水槽の大きさに合った頻度で換水する
  • 毎日、呼吸、泳ぎ方、食欲、体表を観察する

ブラックウォーターを使いながら、水温、餌、換水を整える。この組み合わせが、ベタをできるだけ安定して飼うための現実的な方法です。

よくある質問

Q.ベタは本当に死にやすい魚ですか?

ベタは空気呼吸ができ、比較的丈夫な魚です。一方で、小型容器では水質と水温が変化しやすく、管理方法によっては短期間で体調を崩すことがあります。

Q.ベタが突然死した原因は分かりますか?

水温、水質、アンモニア、亜硝酸、餌、導入時の負担、病気、購入前の状態などが考えられます。死後に時間が経つと、正確な原因を特定できないこともあります。

Q.ブラックウォーターにすればベタは死にませんか?

死亡を防ぐことを保証するものではありません。ただし、カタッパ葉抽出液はベタを対象に研究され、水質、泡巣形成、生存率、血液成分、病原性細菌との関係が報告されています。基本管理と組み合わせて試す価値のある飼育環境です。

Q.病気になったベタにも使えますか?

ブラックウォーターは日常の飼育環境として使用できますが、病気を治療する薬ではありません。明らかな症状がある場合は、水質を確認し、病気や症状に合った対応を行います。

Q.小型水槽にはどちらの商品がおすすめですか?

3〜5L程度の小型ベタ水槽には、ベタ発酵水がおすすめです。複数の植物由来素材をティーバッグで抽出し、葉を水槽へ直接入れずに使えます。

Q.20L以上の水槽には何を使えば良いですか?

20〜30L程度の水槽には、カタッパ葉100%を5g使用したマジックリーフティーバッグがおすすめです。

まとめ:次のベタにはブラックウォーターを試してみてください

ベタが短期間で死んでしまった時、その原因を一つに決めることは簡単ではありません。

水量が少なかった、水温が変化した、アンモニアや亜硝酸が発生した、餌が多かった、水合わせによる負担があった、購入前から体力が落ちていた。いくつかの要因が重なっていた可能性もあります。

大切なのは、飼育者自身を責め続けることではなく、次のベタを迎える環境を一つずつ整えることです。

水量、水温、餌、換水を見直し、そのうえでカタッパの葉を中心とした植物由来のブラックウォーターを取り入れてみてください。

カタッパ葉抽出液は、ベタを対象にした研究で、水質、泡巣形成、生存率、血液成分、病原性細菌との関係が調べられている素材です。

3〜5L程度の小型水槽なら「サカタのベタ ベタ発酵水」、20〜30L程度の水槽なら「サカタのベタ マジックリーフティーバッグ」が使いやすいです。

ベタが死んでしまった経験がある方、ベタは死にやすいのではないかと心配している方には、次の飼育でブラックウォーターを一度試してほしいと思います。

次のベタを、植物由来のブラックウォーターで迎える

小型ベタ水槽にはベタ発酵水、20〜30L程度の水槽にはマジックリーフティーバッグがおすすめです。

サカタのベタの商品を見る

参考資料:Malawaほか(2022)Addition of different concentrations of Indian almond (Terminalia catappa) leaf extract to aquarium water resulted in improved water quality and increased bubble nest formation by male Siamese fighting fish (Betta splendens)/Purivirojkul(2012)Potential application of extracts from Indian almond (Terminalia catappa Linn.) leaves in Siamese fighting fish (Betta splendens Regan) culture/Nugrohoほか(2016)The Effects of Terminalia catappa L. Leaves Extract on the Water Quality Properties, Survival and Blood Profile of Ornamental fish (Betta sp) Cultured/Lichakほか(2022)Care and Use of Siamese Fighting Fish (Betta splendens) for Research

動画で詳しく解説しています

「ベタがすぐ死んでしまう原因」と「次にベタを迎えるなら試してほしいブラックウォーター」について、 動画でも詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

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