ベタが好きな水質にする|タイ式ブラックウォーターの作り方

ベタが好きな水質にする|タイ式ブラックウォーターの作り方

「ベタを飼っているけど、どうも元気がない…」

「もっと色鮮やかに育てたい!」

そんなふうに感じたことはありませんか?

実はベタの健康や美しさを引き出すカギは、水質にあります。

私たち人間にとって「空気」が大事なように、ベタにとっては「水」がすべて。

特におすすめなのが、ブラックウォーターと呼ばれる茶色っぽい水質。これはただ水を汚しているわけではなく、自然に近い環境を作るための大事な要素なんです。

この記事では、プロの視点から 「なぜブラックウォーターが良いのか」、そして 「タイの養殖家が昔から使ってきた素材を使った作り方」を、初心者の方にもわかりやすく解説します。

ブラックウォーターって何?

ベタは「東南アジアの宝石」とも呼ばれるほど、美しい色彩と優雅なヒレが特長の熱帯魚です。タイでは国魚として認定されているほど、原産国としての歴史と文化に深く根付いています。

しかし、華やかな見た目とは裏腹に、彼らが本来暮らしていた環境は意外にも素朴です。水田や用水路、落ち葉が沈んだ川や湿地。そこに共通しているのが「ブラックウォーター」と呼ばれる、少し茶褐色に色づいた水質です。

この色は、落ち葉や木の実、樹皮などから出る タンニン という成分によるものです。

🔍 タンニンとは?

紅茶やワインの渋みのもとになる成分です。水に溶けると殺菌効果があり、病原菌の繁殖を抑えてくれます。

ブラックウォーターの特徴は:

  • 水を弱酸性にする → 雑菌が増えにくく、魚に優しい

  • 抗菌・抗真菌作用 → 病気予防になる

  • ストレス軽減 → 茶色い水が光を和らげて、魚が落ち着く

  • 発色促進 → 体の色が濃く、鮮やかに見える

つまりブラックウォーターは、見た目を美しくするだけでなく、ベタの健康を守る天然のサプリメントみたいな存在なのです。

なぜ「タイ式」なの?

日本ではまだ「水道水にカルキ抜きをしただけで飼育する」ケースも少なくありませんが、本来のベタの健康や美しさを引き出すには、原産地に近い水質を再現することが重要です。

そこで登場するのが「タイ式ブラックウォーター」。

天然の植物や樹皮、果皮などを使って水を調整する、伝統的かつナチュラルな方法です。本記事では、その効果と作り方を詳しく紹介します。

5つの素材

ブラックウォーターを作る方法はいくつかありますが、特に有名なのが「タイ式」。

ベタの原産地・タイでは、昔から養殖家たちが 自然の素材を使って水質を調整してきました。化学薬品に頼らず、落ち葉や果物の皮などを利用して、魚の体調を整えてきたのです。

その中でもよく使われるのが次の5つの素材:

  1. カタッパの葉(ใบหูกวาง)

  2. アカシアの樹皮(สีเสียด)

  3. ヤシの雄花(งวงตาล)

  4. マンゴスチンの皮(เปลือกมังคุด)

  5. 天然岩塩

これらをブレンドして使うと、より本格的なブラックウォーターが作れるんです。

素材ごとの特徴と使い方

1. カタッパの葉(ใบหูกวาง)

  • 効果:水質安定、病気予防、ストレス軽減、発色アップ

  • 豆知識:東南アジアでは「魚の万能薬」と呼ばれるほど定番。

  • 注意:緑色の生葉は毒性がある場合があるので必ず枯れ葉を使う。

2. アカシアの樹皮(สีเสียด)

  • 効果:強力な抗菌作用、傷の回復促進、鱗のツヤ出し、水換え頻度を減らす

  • わかりやすく言うと:「自然の消毒液」みたいな役割。

3. ヤシの雄花(งวงตาล)

  • 効果:鱗を厚く・強くする、体色を鮮やかにする

  • 特徴:単体でも良いが、他の素材と一緒に使うとより効果的。

4. マンゴスチンの皮(เปลือกมังคุด)

  • 効果:抗菌・抗炎症作用、傷の治癒、発色アップ、ストレス緩和

  • 豆知識:東南アジアでは「果物の女王」と呼ばれるマンゴスチン。皮にも薬効があるんです。

5. 天然岩塩

  • 効果:魚の体内の水分バランスを整える(浸透圧調整)、ストレス軽減、病気治療の補助

  • 注意:食卓用の食塩はNG(ヨウ素などの添加物が有害)。必ず天然塩を使う。

ブラックウォーターの作り方

ベタを飼育する人の間では、乾燥させたマジックリーフ(カタッパの葉)をちぎって水槽に入れるのが一般的な方法です。

確かにそれでも効果はありますが、原産国のタイで養殖家たちが長年使ってきた方法は、より自然に近く、ベタにとって一層良い環境をつくります。

その方法とは、マジックリーフを含めた複数の天然素材をブレンドしたバッグを水槽に入れるやり方です。これにより、カタッパ葉単体では得られない幅広い成分を水中に溶かし出すことができ、健康や美しさに大きな違いが出ます。

作り方

  1. 水槽の水 3〜5リットル に対して、天然素材バッグを 1袋 入れます。(1日や一晩おいたりして抽出時間を伸ばせば、1袋10Lほどの水槽にも対応します。多頭飼いの場合も抽出した発酵水を分けて使用できます)

  2. 1時間〜2時間ほどで、水が常温になり、適切な茶褐色になります。

  3. 色の濃さは抽出時間で変わります。濃いめにしたい場合は少し長めに入れておくと、よりタンニンなどが抽出されます。

  4. 水換えの際には新しいバッグを使うことで、安定した水質を維持できます。

👉 ポイントは「入れるだけで簡単」ということ。初心者でも失敗しにくく、プロ養殖家と同じクオリティの水質を手軽に再現できます。

詳しい使用方法は、YouTubeから確認できます。

なぜ天然素材バッグがベタに良いのか?

天然素材バッグから溶け出す成分は、ベタの体調に直接プラスの効果をもたらします。

  • タンニン(カタッパの葉やアカシア樹皮に多い成分)
    → 水を弱酸性に調整して、病原菌が繁殖しにくい環境を作る。
    → 口やヒレに小さな傷があっても治りやすくなる。

  • フラボノイド(植物由来の抗酸化物質)
    → 魚の体内のストレスを軽減し、免疫力を高める。
    → 発色を促し、体色が濃く美しく見える。

  • 抗菌・抗真菌成分(マンゴスチンの皮などに豊富)
    → 水カビや細菌感染を防ぐ。
    → 病気になりやすい稚魚や弱った魚のサポートに効果的。

  • ミネラル(天然岩塩から溶け出す成分)
    → 浸透圧を整え、体調を安定させる。
    → ストレスを和らげ、ヒレや鱗の成長を助ける。

  • 植物由来の栄養素
    → フィトケミカル(植物の機能性成分)が魚の新陳代謝を促進。
    → 長期間にわたって体力と免疫を支える。

どんな効果が期待できる?

  • ヒレや鱗がツヤツヤになり、色が深く鮮やかに見える

  • 水質が安定して病気にかかりにくくなる

  • ストレスが減り、落ち着いた行動を見せるようになる

  • 繁殖時には泡巣が崩れにくく、稚魚も元気に育ちやすい

つまり、天然素材バッグを使ったブラックウォーターは、美観・健康・繁殖のすべてに良い効果をもたらしてくれるのです。

まとめ

ブラックウォーターを作る方法はいくつかありますが、一番おすすめなのは、タイの養殖家たちが使っているような天然素材をブレンドしたバッグをそのまま水槽に入れる方法です。

単純に「水が茶色くなる」だけではなく、カタッパ葉やアカシア樹皮、ヤシの雄花、マンゴスチンの皮、天然岩塩から抽出された成分が溶け出すことで、ベタの健康を根本から支えてくれます。

👉 ベタを長く、美しく、そして健康に飼いたいなら、ぜひこの方法を取り入れてみてください。

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