ベタ水槽にアマゾンフロッグピットがおすすめな理由|照明・育て方・コケ対策まで解説
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ベタ水槽に水草を入れたいけれど、ソイルへ植えたり、複雑なレイアウトを作ったりするのは大変そう。そんな人におすすめしたいのが、アマゾンフロッグピットです。
アマゾンフロッグピットは、水面に浮かべて育てる浮草です。丸い緑色の葉が自然な日陰を作り、葉の下から伸びる長い根が、ベタ水槽に立体感を加えてくれます。

底床へ植える必要がないため、ベアタンクにも簡単に取り入れられます。掃除のしやすさを残しながら、植物のある自然な水槽を作れるのが大きな魅力です。
この記事では、アマゾンフロッグピットがベタ水槽におすすめな理由、必要な照明、育て方、増やし方、根の管理、コケとの関係、ブラックウォーターとの組み合わせまで詳しく解説します。
アマゾンフロッグピットは、ベタ水槽に取り入れやすい浮草です
- 水面に自然な日陰を作れる
- 長い根がベタの過ごす空間になる
- 底床へ植えなくても育てられる
- ベアタンクの掃除しやすさを残せる
- ブラックウォーターに緑色の葉がよく映える
アマゾンフロッグピットとは?

アマゾンフロッグピットは、熱帯アメリカ原産の浮遊植物です。アクアリウムでは、長くLimnobium laevigatum(リムノビウム・ラエビガタム)の学名で流通してきました。
日本では「アマゾンフロッグピット」や「アマゾントチカガミ」という名前で販売されています。
英国王立植物園キューの植物データベースでは、現在の正式な学名をHydrocharis laevigataとし、Limnobium laevigatumを同じ植物の異名として扱っています。原産地はメキシコから熱帯アメリカです。
参考: Plants of the World Online「Hydrocharis laevigata」
丸い葉と長い根が特徴
水面には丸みのある緑色の葉を広げ、葉の下から細く長い根を伸ばします。
水草メーカーのTropicaでは、アマゾンフロッグピットを育成難易度「Easy」、光要求量「Low」、成長速度「Medium」と紹介しています。初めて浮草を育てる人にも扱いやすい種類です。
Tropicaが紹介する草丈は1〜5cm、株の広がりは5〜15cmです。葉は水面に浮かび、細長い根は水中へ垂れ下がります。
参考: Tropica「Limnobium laevigatum」
ベタ水槽にアマゾンフロッグピットがおすすめな5つの理由

1.水面に自然な日陰を作れる

アマゾンフロッグピットの葉が水面に広がると、その下にやわらかな日陰ができます。
水槽全体が同じ明るさになるより、明るい場所と浮草の下の暗い場所がある方が、ベタ自身が過ごす位置を選べます。
特に照明の真下に置いた小型水槽では、浮草の葉が光をやわらげ、水槽全体を自然な雰囲気に変えてくれます。
2.長い根がベタの過ごす空間を作る

アマゾンフロッグピットの魅力は、水中へ伸びる細く長い根です。
Tropicaは、この根がグラミーなど浮草の根を好む水面付近の魚に保護される場所を提供すると説明しています。
ベタも水面近くで過ごすことが多い魚です。葉の下から垂れる根は、何もない水槽に植物のカーテンのような空間を作ります。
ベタが根の間を泳いだり、根の近くで静かに過ごしたりする姿を観察できるのも、アマゾンフロッグピットを入れる楽しみです。
3.底床なしで簡単に育てられる

アマゾンフロッグピットは、水面に浮かべるだけで育てられます。
ソイルや砂へ植える必要がないため、ベアタンクでも簡単に使えます。水槽を掃除する時は、株を一時的に別容器へ移すだけです。
水槽の底に落ちたフンや食べ残しも見つけやすく、水草のある景色とベアタンクの掃除しやすさを両立できます。
4.水中の窒素やリンを利用して成長する

アマゾンフロッグピットは、水中に含まれる窒素やリンなどの栄養を取り込み、葉や根を増やします。
2019年に発表された研究では、アマゾンフロッグピットとウキクサ類を使い、処理済み畜産排水から窒素とリンを除去する能力が比較されました。アマゾンフロッグピットは、窒素とリンを吸収する浮遊植物として高い能力を示しています。
家庭のベタ水槽でも、アマゾンフロッグピットは水中の栄養を使って成長します。増えた株を間引いて水槽の外へ取り出すことで、植物が取り込んだ栄養も一緒に持ち出せます。
5.ブラックウォーターとの見た目が美しい

アマゾンフロッグピットの明るい緑色は、茶色く色づいたブラックウォーターによく映えます。
水面には丸い葉、その下には長い根、さらにその間をベタが泳ぐため、底床のないシンプルな水槽でも自然を感じるレイアウトになります。
ブラックウォーターは照明の光をやわらかく見せ、ベタの体色やヒレとのコントラストもきれいです。ベアタンク、アマゾンフロッグピット、ブラックウォーターは、管理しやすさと見た目の両方を楽しめる組み合わせです。
アマゾンフロッグピットに必要な照明

アマゾンフロッグピットは比較的少ない光でも育てやすい浮草ですが、元気に育てるには光が必要です。
室内の窓から離れた場所で飼育する場合は、水草育成に対応した水槽用LED照明を用意しましょう。水面へ安定して光を当てられ、点灯時間も管理しやすくなります。
照明時間は一日6〜8時間から始める
最初は一日6〜8時間ほど点灯し、葉の成長とコケの状態を見ながら調整します。
新しい葉が増え、明るい緑色を保っていれば、光と環境が合っているサインです。タイマーを使うと、毎日同じ時間に照明を点灯・消灯できます。
光が少ない時に確認したい変化
- 新しい葉が出にくい
- 葉が小さくなる
- 葉色が薄くなる
- 黄色い葉が増える
- 子株が増えにくい
このような変化が見られた時は、照明時間、照明から水面までの距離、照明の明るさを確認します。
直射日光より水槽用LEDが管理しやすい
自然光でも育てられますが、小型のベタ水槽は直射日光で水温が上がりやすくなります。
特に夏の窓際や屋外では、短時間でも水温が大きく変化することがあります。室内飼育では水槽用LEDを使う方が、光と水温を分けて管理しやすくなります。
照明管理の基本
- 室内では水草用LEDを使う
- 一日6〜8時間から始める
- 新しい葉と葉色を観察する
- 真夏の強い直射日光は避ける
アマゾンフロッグピットの育て方

最初は数株から始める
最初から水面いっぱいに入れず、数株から始めます。
水面の半分以上を空けておくと、ベタが水面へ出やすく、浮草の増え方も観察しやすくなります。
環境が合えば、横に伸びた茎の先へ子株を作り、少しずつ水面に広がります。
増えたら定期的に間引く
順調に育つと株数が増え、葉が水面へ広がっていきます。
水面の開いた場所が少なくなる前に、形の良い株を残して間引きましょう。葉同士の重なりが減り、残した株へ光が届きやすくなります。
水中にほかの水草がある場合も、適度に間引くことで下の水草へ光を届けられます。
葉へ強い水流や水滴を当てない
アマゾンフロッグピットは、葉を水面に浮かべ、空気に触れながら育ちます。
フィルターの吐出口や強いエアレーションで葉へ水滴が当たり続ける場所は避けます。フタの内側に結露が多い場合も、浮草へ水滴が落ち続けていないか確認してください。
ベタも穏やかな水流を好むため、水面を激しく揺らさない環境は、ベタとアマゾンフロッグピットの両方に合います。
黄色い葉や傷んだ葉を取り除く
黄色くなった葉や溶け始めた葉は、見つけた時に取り除きます。
元気な葉と子株を残すことで、見た目がきれいになり、水槽内に傷んだ植物がたまるのも防げます。毎日の餌やりの時に、葉の色と新芽を確認すると簡単です。
根が長くなったら好みの長さに整える
アマゾンフロッグピットの根は、水槽の深さや栄養状態によって長く伸びます。
長い根を残すと、自然な雰囲気を楽しめます。掃除や観賞の邪魔になる場合は、清潔なハサミで長すぎる根から少しずつ整えます。
アマゾンフロッグピットが増えない時の確認ポイント

照明が弱い、または点灯時間が短い
新しい葉が出ず、株が小さくなっている場合は、最初に照明を確認します。
水草用LEDを一日6〜8時間ほど点灯し、照明が水面から離れすぎていないかも確認します。
葉が水に濡れ続けている
葉へ水滴が当たり続けると傷みやすくなります。
エアレーション、フィルターの吐出口、フタの結露を確認し、株が静かに浮かべる場所を作ります。
水中の栄養が少ない
ベタ一匹だけの水槽で餌も少ない場合は、植物が使える栄養も少なくなります。
照明を整えても葉色が薄く、成長が止まっている場合は、魚やエビに使用できる水草用液体肥料を製品の規定量に従って使う方法があります。
小型水槽では少量でも濃度が上がりやすいため、計量しやすい製品を選び、使用量を守りましょう。
株が重なりすぎている
浮草が密集すると、下になった株へ光が届きにくくなります。
重なった株を間引き、水面に余裕を作ると、残した株へ光が届きやすくなります。
アマゾンフロッグピットとコケの関係

アマゾンフロッグピットは、コケ対策を考える時にも役立つ浮草です。
コケと水草は、どちらも水中の窒素やリンなどの栄養を利用します。アマゾンフロッグピットが元気に育って栄養を取り込み、水面に適度な日陰を作ることで、コケが増えにくい環境へ近づけられます。
特に照明が強く当たる水槽では、浮草の葉が下へ届く光をやわらげる働きが分かりやすくなります。
コケを抑えたい時は、アマゾンフロッグピットの育成と次の管理を組み合わせるのがおすすめです。
- 照明時間を一日6〜8時間程度に整える
- 餌を与えすぎない
- 定期的に換水する
- 傷んだ葉を取り除く
- 増えた浮草を間引く
浮草が吸収した栄養は、増えた株を間引いて水槽の外へ出すことで除去できます。「元気に育てて、増えたら間引く」という流れが、コケ対策にもつながります。
ベタ水槽へ入れる前に確認すること

観賞魚水槽用の浮草を選ぶ
ベタ水槽へ入れる浮草は、無農薬または観賞魚水槽用として販売されているものを選びます。
販売店の商品説明を確認し、魚やエビがいる水槽へ使用できるものを購入しましょう。
スネールや卵を確認する
購入した株は、別容器の水でやさしく洗い、葉の裏や根にスネール、卵、小さな生物が付いていないか確認します。
気になる場合は、別容器で数日観察してから本水槽へ入れると管理しやすくなります。
増えた株は自然水域へ捨てない
アマゾンフロッグピットは、環境が合うとよく増える外来水草です。
環境省の「生態系被害防止外来種リスト」にも、アマゾントチカガミ(アマゾンフロッグピット)として掲載されています。環境省は、水槽や睡蓮鉢で利用した水草を野外へ捨てないよう呼びかけています。
間引いた株や不要になった株は、川、池、水路へ流さず、乾燥させて自治体の分別方法に従って家庭内で処分してください。
ブラックウォーターと一緒に使う方法

アマゾンフロッグピットは、ブラックウォーターとの相性がとても良い浮草です。
ブラックウォーターを作った水槽の水面へ数株を浮かべ、水面の半分以上を空けた状態から始めます。浮草の緑色とブラックウォーターの茶色が合わさり、ベタの体色もよく映えます。
アマゾンフロッグピットは水面で照明に近い位置にあるため、ブラックウォーターの水槽にも取り入れやすい植物です。新しい葉と葉色を見ながら、照明時間を調整します。
ベアタンクをすっきり保ちたい場合は、カタッパの葉を水槽へ直接入れる代わりに、ティーバッグで抽出したブラックウォーターを使うと管理しやすくなります。

「サカタのベタ ベタ発酵水」は、カタッパの葉をはじめとする植物由来素材をティーバッグにした商品です。熱湯で約2時間抽出し、抽出液を水槽へ加えるため、底に大きな葉を残さずブラックウォーターを楽しめます。

よくある質問
Q.アマゾンフロッグピットはベタ水槽におすすめですか?
おすすめです。水面に日陰を作り、長い根がベタの過ごす空間になります。植え付けが必要ないため、ベアタンクにも簡単に取り入れられます。
Q.照明なしでも育ちますか?
元気に育てるには光が必要です。室内の窓から離れた場所では、水草育成用LEDを使い、一日6〜8時間程度から始めるのがおすすめです。
Q.二酸化炭素の添加は必要ですか?
水面に葉を広げ、空気中の二酸化炭素を利用できるため、一般的なベタ水槽ではCO2添加なしで育てられます。
Q.アマゾンフロッグピットの根は切れますか?
長すぎる場合は、清潔なハサミで少しずつ整えられます。長い根を残すと自然な雰囲気を楽しめるため、水槽の大きさと好みに合わせて調整してください。
Q.浮草で水面を全部覆っても良いですか?
ベタが水面へ出られるよう、開けた場所を残します。最初は水面の半分以上を空け、増えたら定期的に間引くと管理しやすくなります。
Q.ブラックウォーターと一緒に使えますか?
一緒に使えます。緑の葉と長い根が茶色い水によく映え、自然な雰囲気のベタ水槽を作れます。
まとめ:アマゾンフロッグピットでベタ水槽を自然にする

アマゾンフロッグピットは、ベタ水槽へ簡単に取り入れられるおすすめの浮草です。
丸い葉は水面に自然な日陰を作り、長い根はベタが過ごす立体的な空間になります。底床へ植える必要がないため、ベアタンクの掃除しやすさも残せます。
育て方も難しくありません。室内では水草用LEDを一日6〜8時間ほど使い、水面を空けながら増えた株を間引きます。黄色い葉を取り除き、葉へ強い水流や水滴を当てないことが、きれいに育てるポイントです。
元気に成長するアマゾンフロッグピットは、水中の窒素やリンを利用し、水面の光をやわらげます。コケ対策を考える時にも取り入れたい植物です。
さらにブラックウォーターと組み合わせると、緑の葉、長い根、茶色い水の中を泳ぐベタという自然な景色を楽しめます。
ベタ水槽に初めて水草を入れる人、ベアタンクの管理しやすさを残したい人には、アマゾンフロッグピットがおすすめです。
参考資料:Plants of the World Online「Hydrocharis laevigata」/Tropica「Limnobium laevigatum」/Sudiartoほか(2019)「Floating aquatic plants for total nitrogen and phosphorus removal from treated swine wastewater and their biomass characteristics」/環境省「水草を利用される皆さまへ」
