【初心者向け】ベタに最適な水温と水の作り方|ブラックウォーターが人気の理由
Share
「ベタの飼育には、どんな水を使えばいいの?」
「水道水をそのまま入れても大丈夫?」「水温は何度にすればいい?」「ブラックウォーターは必要?」
初めてベタを迎える時は、水に関する疑問がたくさん出てくると思います。ベタは丈夫な魚として紹介されることがありますが、どんな水でも飼えるわけではありません。水道水の塩素を処理し、水温を安定させ、汚れた水を定期的に交換することが基本です。
この記事では、初心者の方でも迷わないように、ベタの水温、水道水の使い方、水換えの考え方、ブラックウォーターを使う理由まで順番に解説します。
- 水道水は使えますが、必ずカルキ抜きをします
- 水温は25〜30℃前後を目安に安定させます
- 水換え時は、新しい水との温度差を小さくします
- 透明でもアンモニアや亜硝酸が増えていることがあります
- ブラックウォーターは必須ではありませんが、ベタの水環境づくりに使える選択肢です
1.ベタの水作りは難しくありません

ベタは、タイを中心とした東南アジアに生息する熱帯魚です。野生のベタは、水田、湿地、氾濫原などの浅くて流れの弱い水域に生息し、水面から空気を取り込める「ラビリンス器官」を持っています。
しかし、空気呼吸ができることと、汚れた水に強いことは同じではありません。小さな容器では水量が少ないため、餌の食べ残しや糞によって水質が早く悪化します。
初心者の水作りで、まず覚えておきたいのは次の4点です。
- 水道水の塩素を中和する
- ベタに合う水温に調整する
- ベタを入れる時に急な温度変化を避ける
- 水量と飼育方法に合わせて水換えをする
ブラックウォーターは、この基本を守ったうえで取り入れる水環境づくりの一つです。ブラックウォーターを入れても、カルキ抜きや水換えが不要になるわけではありません。
2.ベタに水道水は使える?

日本の水道水は、ベタの飼育に使用できます。ただし、水道水には消毒のための塩素などが含まれているため、そのままベタを入れてはいけません。
魚や水中で生活する動物は、水に含まれる塩素やクロラミンの影響を直接受けます。そのため、水道水を使う時は、観賞魚用のカルキ抜き剤で中和してから使用します。[1]
初心者にはカルキ抜き剤がおすすめ
最も簡単で失敗しにくい方法は、塩素やクロラミンに対応した観賞魚用の中和剤を使うことです。商品の説明を確認し、水量に合った量を入れてください。
- ベタ専用の清潔な容器に水道水を入れる
- 水量に合わせてカルキ抜き剤を入れる
- 飼育水と大きな温度差がないように調整する
- 水換えや新しい水槽の立ち上げに使用する
汲み置きだけに頼らない方がよい理由
水を数日間置くことで抜けやすいのは、主に遊離塩素です。地域や水道設備によっては、より残留しやすいクロラミンが使用される場合があります。クロラミンは、単純な汲み置きでは除去できません。[1]
水道水の処理方法が分からない初心者の方は、汲み置きだけに頼らず、塩素とクロラミンに対応した中和剤を使用するのが確実です。
沸騰させる方法はおすすめしません
水を沸騰させてから冷ます方法は、毎回の水換えには手間がかかり、水温調整にも時間が必要です。蒸発した分だけミネラル濃度が変わる可能性もあります。
初心者が普段の水作りとして行うなら、沸騰よりも中和剤を使用した方が簡単で安定します。
3.ベタの水温は25〜30℃を目安にする

ベタは熱帯魚です。家庭で飼育する場合は、25〜30℃を目安に、水温を安定させると管理しやすくなります。ベタを使った研究施設でも、28℃前後で飼育される例があります。[2]
25℃前後ですぐに飼育できなくなるわけではありませんが、水温が低くなると動きや餌への反応が鈍くなることがあります。反対に、30℃以上の高水温が長く続くと、水中の酸素量が減り、水の汚れも進みやすくなるため注意が必要です。
| 水温 | 考え方 |
|---|---|
| 26〜28℃前後 | 日常飼育で管理しやすい目安 |
| 24〜25℃前後 | すぐに問題になるとは限らないが、低下が続かないように確認する |
| 30℃以上 | 長時間続く場合は高水温と水質悪化に注意する |
| 20℃前後 | 長期飼育には低すぎるため、加温を検討する |
重要なのは「何度か」だけでなく「急変させないこと」
ベタは一定範囲の水温に適応できますが、急激な変化は負担になります。たとえば、27℃の水から急に23℃の水へ移すような水換えは避けてください。
水換えでは、新しい水と現在の飼育水の温度差を、できれば1〜2℃程度に収めます。水温計を使用し、手の感覚だけで判断しない方が安心です。
冬はヒーター、夏は高水温対策
室温が下がり、水温を26℃前後に保てない場合はヒーターを使用します。ヒーターだけでなく、水温計も一緒に設置してください。
一方、夏は直射日光が当たる場所を避け、必要に応じて部屋の空調やファンを使用します。小さな容器は水温が変化しやすいため、窓際や家電の近くには置かない方が安全です。
4.透明な水でも安全とは限らない

水が透明で、においがなくても、ベタにとって安全とは限りません。餌の食べ残しや糞からはアンモニアが発生します。水槽内にろ過バクテリアが十分に定着していない場合は、亜硝酸も増えることがあります。
特に、水量の少ない無濾過水槽では、水質の変化が早くなります。「見た目がきれいだから、まだ水換えしなくてよい」と判断しないことが大切です。
アンモニアや亜硝酸は、目で見ただけでは分かりません。小型水槽や立ち上げ直後の水槽では、試験紙や試薬を使って確認すると、水換えのタイミングを判断しやすくなります。
水換え頻度は、水量と設備で変わる
「ベタの水換えは週1回」と一律に決めることはできません。実際の水量、フィルター、水草、餌の量、食べ残し、室温などによって水の汚れ方が変わるからです。
サカタのベタで、無濾過のベアタンクを測定した際は、次の頻度を一つの目安にしています。
- 500mL前後:3日に1回程度の全換水
- 3L前後:6〜7日を超える前に全換水
これはすべての水槽に共通する絶対的な日数ではありません。高水温、餌の食べ残し、糞の量、魚の状態によっては、さらに早い水換えが必要です。
フィルターや水草を使用している水槽では、毎回すべての水を交換する必要はありません。部分換水を基本にしながら、アンモニア、亜硝酸、硝酸塩などの測定結果を見て調整してください。
水換えの詳しい方法は、以下の記事でも解説しています。
5.ブラックウォーターとは?

ブラックウォーターとは、落ち葉、樹皮、流木などの植物素材から溶け出した成分によって、紅茶のような琥珀色になった水のことです。
名前に「ブラック」と付いていますが、魚が見えなくなるほど真っ黒な水を作る必要はありません。ベタの様子を確認できる、自然な琥珀色を目安にしてください。
野生のベタは、浅く流れの弱い水域や植物の多い環境に生息しますが、すべての生息地が濃いブラックウォーターというわけではありません。そのため、ブラックウォーターはベタ飼育に絶対必要なものではありません。
それでも、カタッパの葉を使ったブラックウォーターは、タイのベタ飼育や繁殖で昔から使われてきました。現在では、ベタに対するカタッパ葉抽出液の研究も行われています。
6.ベタにブラックウォーターが使われる理由

理由1.光や水面の反射をやわらげやすい
透明な水槽に強い照明を当てると、容器の側面や水面で光が反射します。ブラックウォーターの琥珀色は、透明な水とは違う落ち着いた見た目を作りやすく、強い光や反射が気になる環境でも使いやすいです。
購入直後や輸送後など、ベタがまだ新しい環境に慣れていない時に、ブラックウォーターを使う飼育者が多い理由の一つです。
理由2.カタッパ葉抽出液と水質・泡巣の研究報告がある
2022年の研究では、若いオスのベタを、0.125、0.25、0.5、1g/Lのカタッパ葉抽出液で8週間飼育し、水質、成長、皮膚色、泡巣形成、血液指標などを調べています。[3]
その結果、0.25g/Lは成長や血液指標に一貫した悪影響を示さず、水質の改善が報告されました。また、カタッパ葉抽出液の濃度とともに、泡巣を作る頻度と泡巣の大きさが増える傾向も報告されています。
- 0.125〜1g/Lのカタッパ葉抽出液を使用
- 8週間、若いオスのベタを個別飼育
- 水質に良い変化が報告された
- 泡巣を作る頻度は平均1.70倍
- 泡巣の大きさは平均1.52倍
- 一部の濃度で皮膚色の指標にも変化が見られた
ただし、この研究は「ブラックウォーターにすれば必ず泡巣を作る」「必ず発色する」と証明したものではありません。一定の研究条件で、カタッパ葉抽出液による変化が報告されたという内容です。
理由3.エロモナス菌への抵抗性に関する研究報告がある
別の研究では、ベタを500ppmのカタッパ葉抽出液に3日間浸したあと、Aeromonas hydrophilaに対する反応を調べています。その結果、カタッパ葉抽出液を使用したグループで、生存率や血液反応、菌への抵抗性に良い変化が報告されました。[4]
これは、カタッパ葉やブラックウォーターが病気を治すという意味ではありません。すでに病気の症状が出ているベタには、水質改善、隔離、症状に応じた治療が必要です。
研究内容から分かるのは、カタッパ葉抽出液が、本格的に調子を崩す前の水環境やコンディションづくりに使える可能性があるということです。
理由4.ベタの体色が見えやすい環境を作れる
ブラックウォーターの中では、透明な水とは背景や光の見え方が変わります。ベタの色がはっきり見えることもありますが、これは水の色による見え方だけでなく、光、背景、餌、遺伝、ストレス、健康状態なども関係します。
前述の2022年の研究でも、カタッパ葉抽出液を使用したグループで皮膚色の指標に変化が報告されました。ただし、ブラックウォーターは色揚げ剤ではなく、必ず体色を濃くするものではありません。
7.ブラックウォーターの作り方

一般的な方法は、乾燥させたカタッパの葉、通称マジックリーフを水槽に入れることです。葉から時間をかけて成分が溶け出し、水が徐々に琥珀色になります。
ただし、葉をそのまま入れる方法は、葉の大きさや状態によって抽出される濃さが変わります。また、水槽内に葉が崩れたり、狙った濃さになるまで時間がかかったりすることがあります。
先に抽出液を作ってから水槽へ加える方法なら、水の色を確認しながら使用できます。
8.サカタのベタ ベタ発酵水とは?

サカタのベタ ベタ発酵水は、タイのベタ飼育で使われてきた植物素材をもとに、5つの素材を組み合わせたティーバッグ式のブラックウォーター商品です。
- カタッパの葉
- アカシア・カテチュー樹皮
- ヤシの雄花
- マンゴスチンの皮
- 天然塩
この商品の中心となる素材は、ベタを使った研究報告もあるカタッパの葉です。1袋には約2gのカタッパ葉を使用し、3〜5L前後の水量で使えるように考えています。
乾燥したカタッパ葉の量だけで計算すると、3Lでは約0.67g/L、5Lでは約0.4g/Lです。これは、2022年の研究で使用された0.125〜1g/Lの範囲に入ります。
ただし、研究で使われたものはカタッパ葉だけの抽出液です。ベタ発酵水は、複数の植物素材と天然塩を組み合わせているため、研究とまったく同じ条件ではありません。
ベタ発酵水は、病気を治療する薬ではありません。また、それぞれの素材が家庭水槽で特定の病気を治すことを保証する商品でもありません。カタッパ葉を含む植物由来のブラックウォーターとして、ベタが落ち着きやすく、体調やコンディションを整えやすい水環境づくりに使用する商品です。
ティーバッグ式だから濃さを確認しやすい
ベタ発酵水は、紅茶のように熱湯で抽出してから使用します。葉をそのまま水槽に入れる方法と違い、抽出液の色を見てから飼育水へ加えられます。
ブラックウォーターを初めて使う方でも、水が急に濃くなりすぎるのを避けやすく、複数の小型ベタ水槽にも使いやすい方法です。
使い方

- カップや耐熱容器にティーバッグを1袋入れます
- 熱湯を注ぎ、約2時間抽出します
- 抽出したブラックウォーターを、3〜5L前後の飼育水へ加えます
水は、ベタの姿を確認できる自然な琥珀色が目安です。魚が見えないほど濃くする必要はありません。
また、ブラックウォーターを入れる前に、水道水のカルキ抜きと水温調整を済ませてください。ベタ発酵水には、水道水の塩素を中和する役割はありません。
9.ブラックウォーターを使う時の注意点

水換えの代わりにはならない
ブラックウォーターを入れても、アンモニアや亜硝酸が発生しなくなるわけではありません。餌の食べ残しや糞を取り除き、水量と設備に合わせて水換えを続けてください。
pHを大きく下げる商品ではない
カタッパ葉などの植物素材によって、pHが少し変化することはあります。ただし、ベタ発酵水はpHを大幅に下げるための商品ではありません。
サカタのベタで規定量を使って測定した際は、水道水との差はおよそ0.2〜0.3程度でした。実際の変化は、水道水の硬度、抽出時間、水量などによって変わります。
ベタの様子を確認できる濃さにする
ブラックウォーターは濃いほど良いわけではありません。初心者の方は、ベタの体色、泳ぎ方、呼吸、餌食い、糞などを確認できる濃さにしてください。
10.よくある質問

Q.水が茶色くなりましたが大丈夫ですか?
カタッパ葉などの植物素材から抽出された成分による色です。ベタの姿を確認できる自然な琥珀色であれば問題ありません。ただし、においの変化、白い濁り、餌の食べ残しなどがある場合は、水質悪化と区別して考える必要があります。
Q.ブラックウォーターは絶対に必要ですか?
必須ではありません。カルキを抜いた清潔な水を使い、水温と水質を適切に管理すれば、透明な水でもベタを飼育できます。
ブラックウォーターは、購入直後、輸送後、環境変化のあと、ベタが少し落ち着かない時などに使える、水環境づくりの選択肢です。
Q.フィルターと併用できますか?
スポンジフィルターや一般的な生物ろ過用のろ材とは併用できます。ただし、活性炭はブラックウォーターの色や植物由来成分を吸着するため、琥珀色が薄くなりやすくなります。
Q.水換えのたびに追加してもいいですか?
新しく交換する水の量に合わせて使用できます。ブラックウォーターを足すだけで古い水を使い続けるのではなく、先に必要な水換えを行ってください。
Q.病気のベタに使えますか?
水環境づくりとして使用できますが、ベタ発酵水だけで病気を治療することはできません。強い症状がある場合は、隔離、水質改善、症状に合った治療を優先してください。
11.初心者向け・ベタの水作り手順
-
水道水を用意する
ベタ専用の清潔な容器を使用します。 -
カルキ抜き剤を入れる
商品に記載された水量と使用量を守ります。 -
水温を26〜28℃前後に調整する
現在の飼育水との温度差も小さくします。 -
必要に応じてブラックウォーターを加える
自然な琥珀色を目安にします。 -
ベタを急に移さない
購入直後は温度合わせと水合わせを行います。 -
水量に合わせて定期的に水換えする
透明でも水質が悪化している可能性があります。
12.まとめ:まずはカルキ抜き・水温・水換え
ベタの水作りで、最初に覚えておきたいのは次の3つです。
- 水道水はカルキを抜いてから使う
- 水温は26〜28℃前後を目安に安定させる
- 水量と設備に合わせて水換えを続ける
ブラックウォーターは、この基本に加えて使う水環境づくりの方法です。ブラックウォーターだけでベタが健康になるわけではありませんが、カタッパ葉抽出液を使った研究では、水質、泡巣形成、皮膚色指標、エロモナス菌への抵抗性などに関する報告があります。
サカタのベタ ベタ発酵水は、カタッパ葉を中心に5つの素材を組み合わせ、熱湯で約2時間抽出して使用できるティーバッグ式の商品です。
購入直後や輸送後、環境変化のあと、ベタが少し落ち着かない時などに、植物由来のブラックウォーターという選択肢を取り入れてみてください。
【Amazonで発売中】

関連記事
関連動画:ブラックウォーターの作り方
サカタのベタ ベタ発酵水を使ったブラックウォーターの作り方を、動画で紹介しています。準備から抽出、水槽へ加えるまでの流れを確認できます。
参考文献・情報
- Centers for Disease Control and Prevention. About Water Disinfection with Chlorine and Chloramine. 2024.
- Lichak MR, Barber JR, Kwon YM, Francis KX, Bendesky A. Care and Use of Siamese Fighting Fish (Betta splendens) for Research. Comparative Medicine. 2022;72(3):169–180. DOI: 10.30802/AALAS-CM-22-000051
- Malawa S, Nuntapong N, Suanyuk N, Thongprajukaew K. Addition of different concentrations of Indian almond (Terminalia catappa) leaf extract to aquarium water resulted in improved water quality and increased bubble nest formation by male Siamese fighting fish. Aquaculture International. 2022;30:3269–3288. DOI: 10.1007/s10499-022-00960-1
- Nugroho RA, Manurung H, Nur FM, Prahastika W. Terminalia catappa L. extract improves survival, hematological profile and resistance to Aeromonas hydrophila in Betta sp. Fisheries & Aquatic Life. 2017;25:103–115. DOI: 10.1515/aopf-2017-0010
※ベタ発酵水は病気を治療する薬ではありません。
※ブラックウォーターは、カルキ抜きや定期的な水換えの代わりになるものではありません。
※水温、水換え頻度、pHの変化は、飼育水量、設備、地域の水道水、餌の量、室温などによって異なります。